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ウッドマイザーの機器をご購入いただいたお客様の声を聞かせていただく本企画。
今回は岐阜県の樹杜屋あらべぇの代表、荒木昌平様のお話を伺いました。
当社は岐阜県北部の飛騨に位置します。
飛騨は急峻な山で構成され豪雪地帯で知られています。木材に関しては、天然物は多様な種類の落葉樹があり、植林されたものは主に杉があります。檜や松はありません。
また、豪雪地帯特有の雪の重みで根曲りという独特な形状をした木材が存在しています。それらは主に木造民家の梁に使われています。
製材を始めたのは20年前。山林所有者の多くは山を持っていることを嘆き、負担に感じていました。祖父が育て、所有していた山の木も使われずに放置されていました。それらの山の木に価値を見出し、それらを使って仕事がしたいと思ったのが始まりです。
当初は日本の古式な手道具(釿・鉞・前挽き)を使い人力で製材をしていました。
その後は地元の製材所に1時間かけて木を運び、製材をするようになりましたが、もっと仕事の幅を広げたい、時間を有効活用したいという思いで製材機の購入を検討しはじめました。
国産品の製材機では手の届く金額のものがなく、途方に暮れていました。日本は電気代が高く、月々の基本料も重くのしかかってきます。そんな中、美山里山舎でウッドマイザーを導入したと聞きつけたのです。性能を細かく確認し、最後に金額を確認すると、製材所までの運賃2年分で買える金額でした。山中で使うこともあるのでエンジンで動くことも大きな決め手となり、購入に至りました。
製材機、Wood-Mizer LT15は導入後即戦力でした。
原木から板、製材品の挽き直し、構造材の面だしなどに利用しています。
当社は外注を受けておらず、木材の販売もしていません。自社の建築のためだけに使用するので、必要とする木材の寸法は決まっており、迷いなく使い始められました。
所有林より杉を調達し、主に厚み18㎜・厚み35㎜・幅200㎜・幅150㎜に挽いています。野地裏板、床ステ板、外壁化粧板など需要に応じてそれぞれ転用可能となります。
また、地域特有の杉の根曲がり材を太鼓に挽いています。
他には椹・栗・乾燥後の木材(平角材・角材など)も製材しています。
自社利用なので販売はしていませんが1番の売れ筋(おすすめ)は椹の外壁材です。
椹は檜の劣等種的な扱いで利用価値がないとされてきた木材です。
けれども実際は、桶などに使われる水にとても強い木だから外壁に最適なのです。
製材した肌のまま使う事で見た目の雰囲気と色(アースカラーに近い)がとても優しく、外壁に使うとヤニや変色などのデメリットも気になりません。
他に使用しているWood-Mizer の機器はまず、パワーフィードオプション。大量の板挽きの際の体への負担が減り、生産性が格段に向上しました。
次に、BMST50。以前は研磨のために車で1時間走らなければいけませんでしたが、その必要がなくなったため、より時間を有効に使えています。また、職人にとっても、自分の刃物を自分で研ぐことで刃物の仕組みを理解でき、技術の向上につながっていると感じます。
それから延長レールも使っています。当社では2m~7.6m(約4間物)の丸太を製材しますが、延長レールのおかげで1番よく使う6.5mが挽けるようになりとても都合がいいです。
Wood-Mizer の機器を使うことで独自規格の生産が可能になりました。
そして、地元の木を自分の製材機で加工し家をつくるという夢が叶いました。
当社で大事にしているのは過剰な製材を行わず、必要な分だけ生産するということ。
製材は春と秋に集中しますが年間30~50㎥ほど、1週間だと0.5㎥ほどになります。
当社は地元の木を使っているため、ウッドマイレージが少なく、また、職人が原木から製品・施行までの生産の工程を一貫して管理しており、トレーサビリティーがしっかりしています。顧客様にはこのような点を評価していただけていると感じています。
この先もながく信頼される存在であるために、バランスよく山と付き合っていくことは不可欠です。
過剰に伐採せず、必要な分だけを木材として利用する。このような考え方を地域に根付かせたい。
今後は作業道を開設し、地元の木とWood-Mizer の機器を使って様々なものづくりをし、山が財産となるような未来をつくりたいと思っています。