Wood-Mizerバンドソーアサリ出し機で効率良く鋸刃のメンテナンスを

 

丸太を価値ある建材に製材をしていく上で、バンドソーの鋸刃は非常に重要な役割を担っています。すべての丸太から高品質な板を挽くにはバンドソーの鋸刃のすべての歯を研ぎ、目立てをするなど正しくメンテナンスしておく必要があります。よく手入れをされた機材だけが最高のパフォーマンスを発揮できるのです。.

歯の目立ては研磨と同じくらい重要

バンドソーの鋸刃のメンテナンスでは、研磨と目立ては同じくらい重要です。製材中、鋸刃の歯は変形し、鈍くなっていくため、鋭い刃先を維持するには定期的に研ぐ必要があります。そして、きれいな断面と、効率良く切り屑を除去していくためには、歯の目立てが重要になります。鋸刃がバンドソーにセットされていないときこそ正確な目立てがされていなければいけません。

アサリ出しには左・右・ストレートのパターンがあり、左と右の歯は木材を開いて切断していき、レイカー歯と呼ばれるストレートの歯は木材から切り屑を除去する役割をします。鋸刃の種類や数によって推奨されるアサリ出しの種類も異なります。そのため、製材する木の性質によって歯を調整していくことが重要になります。例えば、当社では硬い木材には細かい歯を使い、柔らかい木材には大きい歯の鋸刃を使うことをお勧めしています。バンドソー用鋸刃の外箱に使用用途にあわせた推奨される歯数を記載しています。

アサリ出しが小さいと鋸刃は真っすぐ、高品質な製材が実現できますが、その分時間がかかります。反対に大きすぎると、切断中の動きが安定せず、切断面が波打ったようになってしまうなど木材の品質を下げてしまいます。また、正しく目立てされていない歯はすぐにオーバーヒートしてしまう可能性があり、最終的に破損や故障につながることもあります。.

目立て作業をはじめる前に、作業者は正しく鋸刃を準備する必要があります。まずはじめに、鋸刃から樹脂、オイル、樹液やその他付着液を取り除いて綺麗にします。次に、刃先のバリ取りをします。バリ取りの道具を使って手動でするか、BMS500/600のような研磨機を使用して自動的に行うこともできます。

アサリ出し機の選定

Wood-Mizerではスピーディー且つ正確に、安定したアサリ出しを実現できるアサリ出し機を多数提供しています。

BMT100 は正確な目立てを経済的に行うことができる低ボリュームの作業に向いている使いやすい手動アサリ出し機です。25㎜~75㎜の鋸刃に使用でき、手動で動かします。片手でクランクハンドルを操作してアサリ出しをし、もう片手で鋸刃を進めていきます。1度に1面ずつ歯を目立てていくため、片面が終了したら鋸刃を反転させ、もう1面のアサリ出しをしていきます。アサリ出しのパターンを守るため3本ごとに歯の作業をしていく必要があります。鋸刃1本のアサリ出しで平均7~10分ほどかかります。BMT100は正確なアサリ出しを可能にします。.

 

 

BMT100で目立て作業をする前に:
1. 1. 刃とクランプの高さを正確に調整する。―Wood-Mizerではクランプの最上部の1.0~1.5㎜程下にガレットの下端を設置することを推奨しています。
2. セットポイントを調整する。 ―Wood-Mizerでは歯先から歯の高さの1/3ほど下の位置にポイントを置くことを推奨しています。
3. ダイアルをリセットします。

鋸刃を止め、歯を曲げる位置を設定するストッパーを正確な位置に設置することが重要です。ダイアルはアサリ出しの数値を表示します。鋸刃をセットするアームは鋸刃の幅に合わせて調整します。

BMT150 は手動の両面アサリ出し機です。Wood-Mizerのラインナップからもう1つの経済的且つ正確で使いやすい製品です。両面のため、1度に2つの歯(左・右)のアサリ出しができ、作業者は鋸刃を反転させる必要がありません。幅25㎜~75㎜、歯間が6㎜~32㎜の鋸刃に使用可能です。1本の鋸刃の手入れはおよそ3~4分ほどで出来ます。2つのボルトを動かし、同時にプッシャーで刃を進めていくレバーを手動で操作します。鋸刃の高さの調整はボルトを調整するだけで簡単にできます。より正確なアサリ出しのため、BMT150にはアサリ出しの数値を確認しスクリューを調整できる「セットマスターゲージ」というツールがあります。

 

 

Wood-Mizer製品の中でも特に人気のあるアサリ出し機は両面のアサリ出し機のBMT200とBMT250です。シンプルなバージョンであるBMT200は手動ですが、ボルトを動かして鋸刃を進めていくことのできるクランクハンドルがついています。BMT200のアップグレード版がBMT250です。

BMT250は電動で、1相0.18KWのギアモーターと簡単な操作盤がついています。1度に2本の歯のアサリ出しが可能で作業時間の短縮がはかれます。1本の鋸刃のアサリ出しはおよそ2~3分で終了します。BMT250はBMS250の研磨機と併用して使われることが多いです。

セットボルトとアンビルは別々のダイアルゲージにつなげてあり、作業開始前にリセットしておく必要があります。2つのダイアルはそれぞれ左と右のアサリ出しの数値を示します。定期的にセットマスターゲージを用いてアサリ出しを再確認するといい練習になります。自動版のBMT250に搭載されたシンプルな操作盤には歯数の計測器がついていて、歯数を入力しておくとその数までいくとセンサーが反応し自動的に運転終了します。他にはボルト数の表示、メインスイッチ、手動/自動のモード切り替えスイッチが搭載されています。BMT250では幅25~75㎜、歯間13~32㎜の鋸刃に使用できます。

 

 

BMT 300 は大量の製材をするプロフェッショナル向けの片面のアサリ出し機です。BMS500/600のプロフェッショナル向け研磨機と併用して使われることが多いです。BMS300は自動のアサリ出し機で、複数のモードを搭載、機械部品の点検や正確なアサリ出しの点検機能がついています。アサリ出しをしすぎた歯を修正することもできます。2種類の動力を使用しており、電動モーター(2x)24V DCで鋸刃を自動的に進め、エア駆動でクランプツール、ボルト、清掃ノズルを動かします。BMT300は片面ずつ目立てていくので1面終わったら反転させる必要があります。正確性・耐性が高く、はやさもあり、釘や硬い木材等からのダメージを受けた歯がなければ、たった3分間で鋸刃の目立ては完了します。

操作盤にはLCDスクリーンといくつかの操作ボタンがあります。作業に必要なパラメーターをすべて表示し、リアルタイムで調整可能です。歯の数、サイクルの数、アサリ出しの上限・下限、クランプの種類、アサリ出しパターンのエラー数、寸法単位、言語も表示されます。また、点検機能を使って機械の部品(プッシャー、クランプ、セットボルト、センサー)をそれぞれテストすること、アサリ出しの点検をすることも可能です。

 

 

効率良く目立てをするために

鋸刃の手入れをする前に刃と機械の両方を点検しましょう。アサリ出し機とアサリ出しについていくつかのルールを覚えておくことが大事です、

1アサリ出し機に刃をセットする際、樹脂、オイル、樹液や汚れなどが付着していない、きれいな状態にしましょう。刃がきれいでないと、正確な目立てができなくなるだけでなく、機械にも負荷がかかります。
2クランプと鋸刃の高さを正確に調整しましょう。ガレットの下端をクランプの上端から1.0㎜~1.5㎜ほど下にセットし、セットポイントを調整します。セットポイントは歯先から1/3ほどの位置にセットし、ダイアルをリセットします。
3手動のアサリ出し機を使用中、鋸刃を進める際は左・右・ストレートのパターンをチェックしましょう。1度このパターンがずれてしまうと、戻すのに多くの時間と労力を要します。
4 アサリ出しの精度の確認や再調整には「セットマスターゲージ」も使用できます。
5目立ての精度は様々な要因によって変化します。鋸刃の箱に記載されている値を参考にして練習しましょう。経験していくうちにどの製材作業にはどの目立ての値が適切なのかがわかるようになります。
6使用時にはアサリ出し機のクランプ、セッター、プッシャー、その他取り外し可能な部品も含めてよく点検し、状態を確認しましょう。
7機械は清潔で湿気の少ない環境で保管しましょう。作業終了時には汚れ、切り屑、木くずなどは除去しましょう。
8安全第一を心がけてください。鋭利な刃物にさわる際は必ず安全グローブを着用し、目の保護のための安全メガネ、騒音を遮断するための耳栓やヘッドホンを必ず使用してください。

この推奨事項を守ることで、Wood-Mizerのアサリ出し機で満足のいく結果を、よりながく、楽しんでいただけます。

 

***

 

最新情報のメール配信に登録する
新製品、キャンペーン、世界各地のユーザー様による作品などの情報をお届けするウッドマイザーのニュースレター(無料)に是非ご登録ください